こんにちは!おの整骨院の小野いんちょです。
今回はおの整骨院の診療に欠かすことが出来ない『アイシング』についてご説明致します。
痛みや辛い症状でお悩みの方、長年治ることなく苦しんできた症状に対して効果を発揮するのがアイシングです。
今記事は少々長いですが、ぜひ最後まで見て自宅でも出来るセルフケアを覚えて、症状克服を目指しましょう。
目次
なぜ冷やすのか?から始まり、現代のアイシングに対する取り組み、おの整骨院が実践しているアイシング方法を解説していきます。
1.そもそもアイシングとは?
アイシングをWikipediaで調べてみると『氷や水などを用いて身体を局所的に冷却すること』となっています。
つまり冷却するのが目的ということです。
アイシングと聞いてまず思い浮かぶのが
- 足首の捻挫
- 打撲
- 肉離れ(挫傷)
といったケガを起こした時です。
そもそもアイシングとは頭をぶつけて「たんこぶ」 が出来たら氷水で冷やしますよね。
「冷やす=怪我をした時」のイメージは定着しているように思います。
他にも野球のピッチャーが投球後に大きな水袋を用いて肩や肘を冷やしているシーンを観ることがあります。
これはプロ野球選手に限った話ではなく、夏の甲子園、高校球児が試合後のインタビューで肩を冷やしている映像をご覧になった方も多いと思います。
甲子園で見る=夏
どこか夏の風物詩の様にも感じますよね!
(わたしだけ?)
しかしアイシングは
プロ野球でいうキャンプシーズン(2月)や秋季キャンプでも行っていますし、サッカーにおいては冬の高校選手権で活躍する選手もアイシングを行っています。
つまり夏や冬といった季節や時期に関係なく行うものだということが解かります。
これだけスポーツ選手が当たり前のように冷やしている状況であっても、わたしたち一般の方には依然として冷やすことに対してネガティブな印象を持っています。
冷やすことによって
- 血行が悪くなる
- 筋肉が固くなる
- 体が冷える
- 痛みが強くなる
- 寒気がする
こういったイメージを持たれている方は多く、どれも良い印象とは言えませんね。
一般的に氷や水を用いる場面は
- 風邪をひいたり
- 火傷をしたり
といった状況でない限りは中々行わないものです。
しかしアイシングというのは、『身体を局所的に冷やすこと』を目的とします。
つまり局所的に熱が発生し、それを奪うために必要となるのがアイシング(冷やす)だということです。
2.痛いところは炎症している
ケガをした箇所というのは赤く腫れあがり、患部では急性炎症を起こします。
これは強烈な刺激が組織を破壊し、身を守ろうとする防衛手段として熱を持ち腫れていきます。
ケガの程度によりますが概ね炎症は患部で熱を発生させています。この状態を放置すれば治りは遅くなり、それどころか関節の変形やパフォーマンス低下にもつながります。
ではケガ以外の痛みではどうでしょうか。
腰、首、肩、ひざといった一般的に疲労が蓄積しやすい箇所は痛くなることが多く『肩こり』『腰痛』というフレーズでおなじみの場所ですね。
大多数の方々は温めていると思いますが、実はこれら一般的に多い症状にも患部の炎症が関係しています。
炎症は痛みの原因!
『炎症=熱』
なので炎をイメージしました。
長い時間同じ姿勢でいたり、バランスを崩す姿勢(足組みなど)や動きをしていると関節は滑らかに動かなくなります。
滑らかさを失った関節は、その動きのなかで関節内に摩擦が発生するため熱を持ち、捨てきれない程の熱が蓄積していくとやがて炎症状態へと発展していきます。
前述したケガが急性的に発生した炎症であるのに対して、腰痛や肩こりといった緩やかに熱を蓄積して炎症へと発展していくことが非常に多くあります。
3.一般的なアイシング方法
では一般的に行われているアイシング方法を確認してみましょう。
病院や整形外科といった医療機関ではどのように行われるのか、また整骨院や整体で行われるアイシング法とは!
- 3-1.氷
- 3-2.コールドパック
- 3-3.冷湿布
- 3-4.コールドスプレー
- 3-5.その他
だいたい5つに分けられます。
冷却法は様々な分野で研究が進んでいますが、アイシングの効果効能は未だ不透明な部分が強いようです。
各アイシング方法についての解説を問題点を含めて解かりやすくお伝えいたします。
3-1.氷でアイシング
Wikipediaでありましたように、「氷」はアイシングの定義に沿ったものですね。
氷を使用したアイシングは最も冷却力があり効果的です。
しかし、製氷機や冷凍庫から出したばかりの氷には霜が付いています。
霜はマイナスエネルギーが強く、霜の付いた氷を直接、手で持つと氷が手にくっついてしまいます。
これは霜焼けの状態です。
氷は自然の力の一端です。治療に最適なものですね。
もちろん長時間、手で触れ続けていれば凍傷を起こす危険性がありますので、大変注意しなくてはいけません。
逆を言えば
霜さえ取り除けばマイナスの温度(0℃以下)になることは決してありません。
そのため非常に安全、かつ効率よくアイシングをすることが出来ます。
3-2.コールドパックでアイシング
今回はジェルタイプの袋を総称してコールドパックとして説明します。
コールドパックは冷却力が強すぎたり、弱すぎたりとお勧めできません。
①保冷剤
ケーキ屋さんや生鮮食品店で付いてくる保冷材を使う方は意外と多いですね。
夏は保冷材をタオルで包んで首に当てている方もいます。
実は保冷材というのは蓄冷作用(マイナスエネルギー)が強いため、実際に冷凍庫に入れて使おうとすると、材質そのものが0℃以下(最大でマイナス25℃)の物体となっていることがほとんどです。
そのため保冷材が万が一でも体に直接つくと、凍傷や霜焼けを起こす可能性がグッと高まるため使用方法には十分注意が必要です。
おの整骨院ではそんなリスクのある治療はしたくないので、一切お勧めしません。
というか絶対使わないでください。
リスクが高すぎます。
そもそも保冷材は食品を傷めないように使われるものであり、わたしたち生きた体に使用する用途ではありません。
使用はくれぐれもお控えください。
②ジェルタイプ
コールドパックに似たもので『アイス●ン』といった冷やす道具が市販されていますが、アイシング効果は非常に少ないです。
それどころか1つのジェルタイプを体に当て続けても、すぐ温くなってしまいアイシング効果は皆無です。
ジェルタイプはよく風邪を引いたときに使用される方がいますが、数分もすれば冷たさは失われて冷却素材としての役割が無くなることを実感すると思います。
3-3.冷湿布
言わずと知れた冷湿布。
冷やすと聞いてイメージしやすい素材。
まず先に申し上げますと、冷湿布にアイシング効果はありません。
そもそもアイシングとは、身体(物体)を冷やす目的で行われます。
では、冷湿布で缶ビールやジュースが冷やせますでしょうか?
実際に患者さんへこの質問をすると、全員が笑って「冷やせないでしょ」と答えます。
当たり前だろー!と言われたことすらありますね(笑
それが答えです。
ちなみに冷却効果があるとされるデータについては、皮ふ表面の温度測定に過ぎず炎症を起こしている内部には全く触れていません。
つまり効果が無いということを言っているのと大差ないのが解かります。
3-4.コールドスプレー
空冷作用によるアイシング効果を狙ったもので、スポーツ選手が登場するなど多くのメーカーで市販されているものです。
しかし残念ながらこちらもアイシング効果はありません。
使用してみると解かりますが、噴きかけると皮ふ表面にある毛が凍ったり、白くなることがあります。
これは非常に強い冷気を噴きかけることで、皮ふ表面から出る蒸発した水や汗が瞬間的に凍った現象です。
コールドスプレーは5cm離れると-10℃の表面温度になると云われています。
(それ凍ってないかな・・・。)
ちなみに噴出した瞬間の温度はもっとマイナスの冷気ですから、使用方法によっては凍傷のリスクがあります。コールドスプレーは皮ふ表面がヒヤッとするだけ
そしてもっと根本的なことを言ってしまえば、湿布同様に皮ふ表面が冷たくなったところで炎症部位は関節や筋肉です。
患部の炎症は皮ふよりももっと深い場所にあります。
つまり皮ふが冷えたところで炎症部位の熱が奪われないのでしたら、全く意味が無いことが解かります。
それどころか感覚が一時、麻痺するため痛めているのを気にせず動かしてしまう可能性すらあります。
3-5.その他
他にも様々な冷却方法があります。
あまり目にする事はありませんが医療機関で取り扱う冷却機器の多くは『空冷作用』を利用した設備があります。
これは一定の効果が期待できるものもありますが、管理の大変さや事故の発生リスクを勘案すれば一般の方が選択することは少ないと思います。
4.実際にアイシングしよう!
一般的に行われているアイシング方法を挙げましたが、3-1.氷を除きほぼ全てに欠点や問題点があります。
どうやら冷やすことにおいて
難しく考えているというか、如何に冷たく感じないように、楽に冷やせるようにと苦心しているように思えます。
おの整骨院がお勧めするアイシング方法は
「氷と水を用いてアイシングをします。」
捻った答えでもなく、アイシングの定義そのままですよね。
正論はシンプルに限ります。
では実際にその作り方をご説明します。
- 4-1.氷のうを用意
- 4-2.氷と水を入れる
- 4-3.余分な空気を抜く
実践編となりますので、写真付きで解説していきますね。
氷水をすぐ患部にあてたり、勢いでアイシングすると効果が半減しますので最後までお読みください。
4-1.氷のうを用意する
まず事前に用意するものは3つ
- 氷
- 水
- 氷と水を入れる物
運動選手なら氷のうをイメージしやすく、
風邪を引いたときなら水枕がイメージしやすいですね。
ビニール袋やジップロックでは、万が一水漏れを起こすと衣類や体が濡れてしまいます。
意外と体が濡れることが原因で心が挫けてしまう方が多いです。最初は氷のうを使って始められるのがベストですね!
アイシング慣れしていない方は氷水を入れる市販の物を用意された方が安全に行えますのでお勧めです。
おの整骨院のお勧め冷却道具一式
今回は解かりやすく説明したいので、氷のうを使います。
4-2.氷と水を入れる
製氷機や冷凍庫から出した氷には霜が付いています。
このまま皮ふに当たると霜焼けや凍傷を起こす可能性があるため、必ず水で霜を洗い流してください。霜はサッと水をかけるだけで取れます。
必要なのは氷と水!
氷のうに入れる氷と水の分量は氷7:水3ぐらい。
正確に測るわけじゃないので目分量です(笑
2、3回アイシングを行ってみると適量が解かりますので、まずはお読みいただいた後に実践してみましょう♪
4-3.余分な空気を抜く
小野いんちょ的に超重要だと思っています。
氷と水を入れた際、氷のうの中には空気も一緒に入った状態です。
このまま密封すると空気量が多くて、水風船のようになってしまって皮ふに密着せず冷却効果も落ちます。
ですので必ず氷のうの中にある余分な空気を抜いてください。
<やり方>
氷のうの口の部分を細くし、氷水の入った袋を圧縮すると水位が上昇します。
これで余分な空気は外へ出されていき、しっかり空気が抜けた段階でふたを閉めます。
空気抜きは必須!必ずやりましょう。
写真を見ると、水位が上がり空気がプクプクと出ているのが解かります。
試しに空気が入った氷のうと空気が抜けた氷のうを持ってみてください。
全く違うことが解かると思います。
些細なコツですが、これが出来るかどうかで治療効果が大きく変わってきますので必ず行われて下さい♪
アイシングのまとめ
関節や筋肉に問題が起きる
↓
滑らかさを失い摩擦熱が生じる
↓
熱が蓄積し炎症へと発展
↓
やがて炎症は痛みなど症状を出す
↓
最も安全かつ効果的な冷やし方を選ぶ
↓
氷水を用いたアイシングを実践し、炎症が起きている痛みや辛い症状を取り除く。
会話にするとこんな感じ
「熱があるから冷やしましょう」
「って湿布じゃ熱は取れないから、氷水でやった方がいいんじゃない?」
「それじゃ~氷水で冷やすかい!」
う~ん。
とっても自然な流れだと私は思います。
今まで中々治らなかった痛みや症状に対してアイシングは非常に奏功します。
全身が寒くなるほどのアイシングは体によくないので、症状のあるところだけアイシングしましょう。
また寒くないよう防寒対策に注意し、ぜひ実践されてみてください。
おの整骨院 小野いんちょでした。
お困りのこと、お悩みのことはメールやLINEからお気軽にご相談ください♪
コラム執筆・監修者
合同会社Linkage
代表 小野 俊介
厚生労働大臣認定 柔道整復師
厚生労働大臣認定 鍼灸師
厚生労働大臣認定 按摩マッサージ指圧師
経歴:
平塚市内整骨院勤務 4年
川崎市内整形外科勤務 2年
町田市内整骨院勤務 5年
2014年9月に足柄上郡大井町におの整骨院を開院
柔道整復師・鍼灸師・按摩マッサージ指圧師、その他。
2014年足柄上郡大井町におの整骨院を開業。
2021年小田原市鴨宮に、おの整体院かものみや分院を開設。
整体だけでなく、巻き爪、栄養体質改善指導を実施しています。