膝が痛くて注射をしても、痛みが取れない、変わらないという方は3つの改善ポイントを解説していきます。
本記事を読むことによって、膝の痛みに対する対応策が分かり、注射や現在行っているリハビリテーションとの相乗効果が得られます。
目次
注射をしても膝が痛いのは炎症が関係する
膝の痛い部分に『炎症がある』と言われたことはありませんか?
実際のところ
- 温めていいのか
- 冷やしていいのか
どちらを選択すればいいか分からない方は多いです。
そこで、まず炎症という文字に着目して見てみましょう!漢字の意味として熱そうな印象を持ちませんか?
炎症の正体は「熱」なので、膝関節の中では炎症による物理的な熱が発生しています。
- 炎症で水が溜まった
- 炎症しているから痛い
- 痛み止めの薬は解熱鎮痛剤
- ズキズキ痛く感じる
これらは炎症性疼痛(熱で痛い)で、広く知られているところです。
痛みが炎症性、つまり熱による問題ならば温めるよりも冷やすほうが効果的です。
東京大学医学部附属病院 整形外科学教室:変形性関節症の大規模臨床研究プロジェクトROADの開始より
膝の痛みは冷やすのが効果的
多くの方に「冷やしましょう」とお伝えすると
- 血流が悪くなるんじゃないか
- 筋肉が冷えて固くなるんじゃないか
- 今より痛みが出てきてしまうのではないか
と心配になる方もいると思います。
ですが、意外と身近な方でもアイシングを行っている人がいます。
それはスポーツ選手です。
特に野球やサッカーで、選手が肩や膝に何かを巻いているシーンを見かけた事があると思います。
これはスポーツ選手だから特別というわけではありません。
彼らは怪我予防で冷やすこともあり、動きの悪い関節が熱を持つことを科学的に理解しているから、余計な熱は積極的に取り除いているのです。
膝を冷やす時の間違い
アイシングを行う際に最も間違えるポイントが保冷剤、アイスノン、湿布といった氷水以外の方法で冷やすことです。
これらは手軽に冷やしやすい反面、思ったより炎症を引かせる効果が弱いので「冷やしても治らない」と思ってしまうのです。
最も有効なのは氷水を使ったやり方です。
アイシングの実践的な方法は下記の記事をご参考にして下さい。
▶ 痛みや炎症があるときに行う「アイシング効果」を最大化する方法
膝が痛くなる、どすんと座りをやめる
体重をかけると膝が痛い。
そうなると、ついどすんと座りがちです。
どすんと座るとお尻を通じて骨盤に衝撃が加わり、それが体のゆがみに繋がっていくのです。
膝に良い立ち座りの方法
膝のためには、まずどすんと座らないこと。
そしてゆっくりと立ち座りを行うことです。
ポイントは、
- つま先と膝が同じ向きでまっすぐ前に向き
- 膝や股関節、足首にねじれがない状態
- ゆっくり体重をかける
これにより、膝関節に潤滑液(ヒアルロン酸など)が行き渡りやすくなります。
【注意点】 痛みが強くてで着ない場合は、高さのある椅子で実践しましょう。 低い椅子(ローチェア)では、膝や股関節に加わる負担が大きくて悪化する可能性があります。最初は高い椅子(ハイチェア)で、痛みの弱い範囲でゆっくり立ち座りを行いましょう。 |
この動作を伝えてご自宅で実践してくれた方は、初回来院時に足を引きずる様に歩いていた方も、1週間後には小走り出来ていました。
立ったり座ったりする動作は日常生活で最も行います。
どすんと座るクセを減らして、ゆがみの少ない座り方で痛みの軽減を目指しましょう。
膝押し体操のやり方とは
私たち、おの整骨院が実際に患者様に指導している膝押し体操のやり方がこちらです。
- 足は肩幅。つま先をまっすぐ前に向ける。
- 手は膝を包み込むように把持する。
- 背すじを伸ばして両手で膝にしっかりと体重を乗せて、息を吐きながら5〜6秒かけてゆっくりと立ち上がる。
- 立ち上がったら背すじ、膝裏を伸ばして最後にお尻の穴を締めるようにギュッと力を込める。
- 同じ要領で両手で膝にしっかりと体重を乗せて、息を吐きながら5〜6秒かけてゆっくりと座る。
膝の痛みには歩いて関節を動かそう
実は歩き方の中にも
- 良い歩き方
- 悪い歩き方
があります。
良い歩き方をすると関節の中にある潤滑液(ヒアルロン酸など)が働きやすくなります。
動かすと膝がギシギシ音が鳴る人も、潤滑液が働きやすくなることでギシギシ音が減ってくる人もいます。
膝に良い歩き方
- 足で一線を挟むように
- 上体はやや前傾させ、まっすぐ前を見る
- 腕を振るとき、肘を必ず屈曲させる
- 腕を振る時、前方へ大きく振り出すのではなく、曲げた肘を後ろへ引くようにする
- 手は真綿をつかむような感じで軽く握る(親指は内側に握り込まない)
- 歩幅はできるだけ広げる(普段あまり歩いていない人は無理をしない)
この歩き方は体のゆがみを整える生理歩行と言われる歩法です。
生理歩行は、重度の膝痛では難易度の高い歩き方です。
まずは痛みの少ない、無理のない範囲で生理歩行を行い、徐々に理想的な生理歩行が出来る(取り戻せる)ように、お一人お一人の状態に合わせて1から指導しております。
膝に悪い歩き方
- つま先が外側を向いている
- 足元を見て顔が下を向いている
- 腕を振らずに肘も伸びている
- 足を引きずるように歩いている
- 左右に偏って歩いている
膝に悪い歩き方は、靴底の内側や外側のどちらか片方ばかりすり減るのが特徴です。
歩き方は1日で大きく変わるものではなく、数年~数十年と繰り返してきた歩行習慣(歩法習慣)の結果です。
すり減り方がひどい靴は即交換して、良い靴で歩き方と合わせて修正をしていきましょう。
歩き方で膝の痛みが変わる
悪い歩き方から良い歩き方へ。
このように気をつけて歩くだけでも、膝の痛みが減るのを実感できます。
多くの方が、今までの人生で歩き方を教えてもらう事などほとんど無かったと思います。
だからこそ悪い歩き方に気づかない方が多いと私たちは感じています。
歩く事は人が生きていく上で欠かせない事です。
しかし、
ただ歩けば良いというわけではありません。
歩行時の具体的な注意点は
- 足の接地は優しく
- 歩幅を広くする事だけに注力しない
こういった事から始めてみてはいかがでしょうか。
継続する事も大切ですが、毎日の悪い積み重ねが膝に負担をかけてしまう事があります。
体のゆがみと同じ様に、歩き方にも悪い癖があると痛みが治らない事に直結します。
ぜひ正しい歩き方を知って、毎日の歩行を膝の痛みを減らす運動へと導いていきましょう。
まとめ
日本国内では約2,530万人もの方が膝の痛みで悩んでいると推定されています。
それだけ多くの方がどうしたら痛みが軽くなるのか日々探しています。
吉村典子:ロコモティブシンドロームとメタボリックシンドローム 大規模コホート研究ROADプロジェクトより Medical Asahi 2009 Marchより
だからこそ当院の記事にも辿り着き、また興味を持ってここまで読み進めていただきありがとうございます。
おの整骨院でお伝えしている事は非常にシンプルです。
- 痛みがあるところは氷水で冷やしましょう。
- 日常生活で行う立ち方や座り方を気をつけましょう。
- 歩き方を知って悪い癖を直しましょう。
この3つはシンプルですが、お体の動きを良くするためには奥が深いです。
※歩き方には個人差がありますが、まずは生理歩行がちゃんと出来るかどうか?の観点でぜひ実践してみてください。 |
おの整骨院では、膝が痛くてやりたいこと、好きなことが出来ずに悩んでいる方の力になりたいと思っております。
膝の痛みが減らない方は、他の記事も参考にされてください。
最後までお読みいただき有り難うございました。
コラム執筆・監修者
合同会社Linkage
代表 小野 俊介
厚生労働大臣認定 柔道整復師
厚生労働大臣認定 鍼灸師
厚生労働大臣認定 按摩マッサージ指圧師
経歴:
平塚市内整骨院勤務 4年
川崎市内整形外科勤務 2年
町田市内整骨院勤務 5年
2014年9月に足柄上郡大井町におの整骨院を開院
柔道整復師・鍼灸師・按摩マッサージ指圧師、その他。
2014年足柄上郡大井町におの整骨院を開業。
2021年小田原市鴨宮に、おの整体院かものみや分院を開設。
整体だけでなく、巻き爪、栄養体質改善指導を実施しています。